第2回 寶研堂様 ~都内唯一の硯工房~
老舗探訪・第2回目は
東京・浅草にある寳研堂様をご紹介させていただきます。
寶研堂は、墨・筆・硯・紙の文房四宝を取り扱い、都内唯一の硯工房があります。
社長の青柳様は、4代目で都内唯一の製硯師です。
寶研堂様の歴史や特色
<創業> 1930(昭和5)年(創業94年)。書道用品全般を取り扱っておりますが、特に硯で知られております。実用硯から鑑賞性の高いアンティークの硯まで幅広く販売しております。社内に工房を構え、硯の目立てや修復など、硯に関する様々なサービスを提供しております。近年では、歴史的価値のある硯の復刻製作や講演会などを通じて、硯の啓蒙活動にも注力しております。
<筆> 日本各地の筆から唐筆(中国筆)まで、学童向けから専門書家向けまで豊富に取り揃えております。特に豊橋筆の取り扱いが多く、中でも赤馬毛と羊毛の兼毫筆「龍神(2号~4号)」は楷行草なんにでも合う筆として永らくご愛用いただいております。
<硯> 国内有数の品揃えを誇り、目的やご予算などご要望に応じた硯をご提案いたします。
<紙> 国内外の製品を半紙から各種展覧会サイズまで取り揃えております。漢字作品にオリジナルの朝陽箋が人気です。自社ならではの製品管理を行い、安価で高品質、サイズも豊富にご用意出るのもオリジナル製品ならではです。
<表装> 軸装や額装も承っております。1点からお気軽にご相談ください。
所蔵されている著名な書など
所蔵している書作品はございませんが、弊社玄関にございます「寶研堂」の看板は青山杉雨先生の揮毫によるものです。圧倒的な存在感を放ち、写真に収めて行かれる方も多くいらっしゃいます。
寶研堂について
<歴史> 現在の社長は4代目当主。宝研堂の当主は、代々硯の製作を生業とする家系です。二代目青栁保男、三代目青栁彰男は戦後、中国大陸に渡り硯の産地とのつながりを築き、良質な硯を日本国内に流通させる仕組みを確立しました。四代目青栁貴史は中国大陸の作硯家たちと交流を重ね、中国に伝わる伝統的な硯の製作技術を学び、日本国内で継承されている文化的価値の高い硯の復元・復刻製作に従事しています。
<商品特色> お客様の使い易さを目標にした徹底した品質管理を心掛けております。
<顧客> 書道家の先生方から、これから書活動に取り組もうという方まで幅広くご来店いただきます。社員一同、どなたにもご満足いただける接客を心掛けております。
<将来の展望など> 文房四宝はアジア圏で最古の筆記用具として、長い間人々の暮らしを支えてきました。書道はもちろん、絵画や日常のコミュニケーションツールとして時代にあわせた進化を遂げてきています。私たちは継承してきた技術と知識を使い、人々の暮らしが豊かになるプロダクトを提案してまいります。
<ホームページ> http://houkendo.co.jp/
お話しいただいた方
社長・4代目当主 青栁貴史様
主な活動
「夏目漱石」遺品の硯を修復 (2014年)
「夏目漱石」愛用硯を復刻製作 (2017年)
日本初、北海道での硯材採石、硯製作に成功 (2018年)
歌舞伎役者「4 代目市川猿之助」の硯製作(2018年)
世界初、月の石の硯化に成功(2019年)
モンベルと共同開発した「野筆セット」を発売(2019年)
著書
「製硯師」(天来書院 / 2018年刊)
「硯の中の地球を歩く」(左右社 / 2018年刊)
貴重なお話をありがとうございました。